「オーストラリア唯一の自動車メーカー」
ホールデン(Holden)は、馬具製造会社がサイドカーのボディ製造を始めたことで1913年からスタートしましたが、
世界大恐慌などの影響で1931年からアメリカのゼネラルモータース(GM)に買収されました。
2000年代に入ると外国メーカーでオーストラリア国内に工場を持っているのは、アメリカのフォード・モーターとトヨタのみになり、
フォードは2016年に、トヨタは2017年にオーストラリアでの自動車製造を終了した。
2013年12月、親会社のGMは、傘下のホールデンに関し「現地生産を2017年末までに終了する」と発表し,
2017年10月、工場閉鎖に伴い、操業を終了。以降は全ての車種を輸入に切り替えました。
ようするにオーストラリア国内で自動車の製造販売するよりもアジアなどで製造した自動車を輸入した方が安くできてしまうという事で現在は国産の自動車はありません。
しかし唯一の国産車だったということもあり人気は今も健在です。
代表的な大型セダンのコモドアについて少し紹介します。
コモドア(Commodore)
1978年から生産している大型セダンである。初期のモデルはオペルのレコルトやオメガという車をベースに製造されていたが、最近のモデルは独自に開発されている。
大型セダンだけあって車内が広く、乗り心地はとても良い。
シートの素材などにもこだわって作られており、必要な装備はすべて備わっている。プレミアムグレード「SS」やスポーツセダン「SS-V」なども評価されている。
ユート(UTE)
コモドアのシャーシを使って開発された、セダンベースのピックアップである。
日本ではめずしいスタイルだが、オーストラリアでは一般的で、よく売れている。
セダン・ピックアップは、日本やアメリカでも1960年代から70年代にトヨタやシボレーなどが製造していた。
当時の車は今でもファンの間で需要があり、シボレー・エルカミーノなどは中古車市場でよく見かける人気車だ。
チューニングカーブランドHSV
有名なF1レーサーであるトム・ウォーキンショー(Tom Walkinshaw)の設立した「トム・ウォーキンショー・レーシング(TWR)」が、ホールデンの純正チューニングを行っている。
そのチューニングカーは、ホールデンとTWRの設立したブランドHSV(HOLDEN SPECIAL VEHICLES)として販売されている。
オーストラリア国内のレースで好成績をおさめている、高級スポーツカーである。
コモドアやユートのチューニングカーもあり、日本にもHSVの取扱店がある
コモドアの初代には、「VB」「VC」「VH」「VK」「VL」という、5つのモデルが存在しました。それぞれのモデルの特徴としては、下記のようなことになります。
「VB」が、1978年10月に販売が開始され、1年半後の1980年3月に生産終了となっています。ホールデン・HZキングスウッドの後継車として誕生しています。ちなみにグレード構成は3つで、コモドア・コモドアSL・コモドアSL/Eとなっていました。しかし、ワゴンにはSL/Eグレードは設定されませんでした。
「VC」は、1980年3月に販売が開始され、翌年の1981年10月に生産終了となっています。12万台強が生産され、大ヒットとなりました。
「VH」は、1981年10月に販売開始となり、初代としては珍しく、モデルの追加投入を行い、1982年にスポーツモデルのSSが発売されています。その後もSSには各種改良が加えられますが、1984年2月に生産終了となります。
「VK」は、1984年2月に販売が開始されます。そして、ちょうど2年後の1986年2月、生産が終了となるのです。このVKは次に紹介するVLに次いで多い、13.5万台が生産されました。
「VL」は、初代では最大の15万台超の生産があった車です。1986年2月に販売が開始となり、2年半後の1988年8月に生産が終了され、ここで初代の幕は下ろされることになります。
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「VT」「VX」「VY」「VZ」という4つのモデルからなる3代目は、丸みを帯びたエクステリアデザインとなっています。
「VT」は、1997年8月に2代目をフルモデルチェンジし、販売を開始。このVTは大ヒットし、コモドア史上最大の販売台数を記録しています。しかし、3年後の2000年10月には、生産が終了し、VXへ引き継がれています。
「VX」は、2000年10月にVTをマイナーチェンジして、生産が開始されました。2001年8月には、サスペンションなどの小変更が行われたものの、2002年9月には生産が終了しています。
「VY」は、2002年9月に生産開始。VXを小規模マイナーチェンジしています。わずか2年後の2004年8月、生産終了となりました。
「VZ」は3代目最終モデルとなります。2004年8月にVYをマイナーチェンジし、エンジンをV6 3.6Lのものに変更しています。小型車人気による大型車のシェア減少や、原油高といったこともあり、2006年8月にはセダンが、1年後の2007年9月にはワゴンが生産終了となり3代目は終わりを迎えます。
日本のメーカーと比べて優れているという点になると難しいですね。かつては日本車の方がやはり品質も良かったのでしょうが、最近のホールデンで販売している車種も品質が特に悪いということはないです。
オリジナル感があるのが、オーストラリア伝統たる大型セダン群やそれをハイパワー化、エアダムキットを装備したHSV(Holden Special Vehicle)などでしょう。
日本車には少ないサイズと大排気量エンジン(V8の6リッターなど)が特徴ですが、技術的には古いもの(OHVエンジン)を時代ごとに改良していきながら継続しているという感じです。
この辺りの車種はオーストラリア・フォードが真っ向から対抗していますが、日系メーカーの車種は最近サイズやパワーなどが追いついてきた感じがあり、以前はややサイズも小さめでエンジンも排気量が小さめという感じでしたが、日本車のブランドイメージもあってかセールスは良かったです。
ホールデンやフォードのオーストラリアオリジナルと言える大きなセダンは、もともとオーストラリアではアメリカのように大きなサイズの車が常識的だったので、この地で根付いたアメリカ由来の大型車が支持されていたことによります。そこにあとから小型車化が押し寄せ、あまり技術が無いのと、開発コスト削減などでイギリス車やドイツ車あるいは日本・韓国などの小型車を輸入して(または一部組み立てて)補ったといえます。
世界中で走ってるmade in JAPANの誇りである日本車が一番だと考える人が多いと思いますが、遊び心満載の外国車で現地を走るのも楽しいかと思います。