
「豪州とディーゼル車」
ディーゼル車とオーストラリア
ディーゼル車と聞くと、様々なイメージを持っている方がいるでしょう。トラックやバスなどの大型車を思い浮かべる方もいるでしょうし、軽油を使っていることや、エンジン構造が丈夫だという特徴が先に浮かぶ方もいるかもしれません。
ディーゼル車は、文字通りディーゼルエンジンを搭載した車のことを指しますが、ではディーゼルエンジンとはどのようなエンジンなのでしょうか?
ディーゼルエンジンとは
ディーゼルエンジンの基本的な仕組みと構造ですが、その仕組みはシリンダー内で圧縮されて高温となった空気に、燃料(軽油)を吹きかけて燃焼させることによってパワーを生み出す、というものです。
燃料を吹きかける為のインジェクターがシリンダー内にあり、ガソリン車のような火花を飛ばす着火役のスパークプラグが存在しないことが特徴です。
ディーゼルエンジンの場合、燃焼室内のピストンが下がる時に吸入されるのは空気のみです。吸入された空気は、ピストンの上昇によって高い圧縮比をかけられ、数百度という高温になります。この時に軽油が噴射され、燃焼室の至るところで一気に燃焼するのです。そして、膨張しながら再びピストンを押し下げます。
ガソリンエンジンは、ひとつの火種から短時間のうちに燃焼させていかなければならないため、排気量を大きくすることはできません。トラックやバスなどの大型車がガソリン車でないのはそのためです。
ディーゼルエンジンは、燃焼室の大きさに関係なく一気に爆発的燃焼をするため、排気量をいくらでも大きくすることができます。このことから、大型車に多く用いられるようになっています。
燃費の良さ
ディーゼルエンジンは、エンジンの構造上、発生する熱のエネルギー変換効率が良いので、ガソリンエンジンよりも2割~3割ほど燃費が良くなっています。
加速性能の良さ
ディーゼルエンジンは、トルクの性能の良さに特徴があります。
トルクは、「車のタイヤを回転させる力」を差しますが、この性能の数値が車の加速に影響を与えます。
同じようなスペックのガソリンエンジンと比べてもトルク性能の数値が良い傾向にあるので、運転者にとっては発進時などにスムーズな運転が実現できます。
注意点
メンテナンス費用の観点からは、ディーゼル車専用のエンジンオイルが必要になる為、維持費が少し嵩みます。
ディーゼル車は「ちょっとご近所まで」というチョイ乗りを繰り返していると、機器内に「スス」が少しずつ溜まってしまいます。
エンジンに最も負荷がかかるのは、エンジンの始動・再始動時であるといわれています。
なので日本のように信号が多くて渋滞の多い国ですとどうしてもディーゼル車との相性が悪いです。
しかしここはオーストラリアです!
限定された街しか走らないという人はガソリン車の方が良いかと思いますが、日頃街から街への移動やレジャーやサーフィンされる方などはディーゼル車も全然ありだと思います。
ディーゼル車にガソリンを入れるとどうなる?
ディーゼル車に誤ってガソリンを入れてしまったとしても、エンジンを始動させなければ大事には至りません。しかし、入れ間違いに気付かずに車を走らせていると、エンジン出力が低下していきます。
ガソリンには軽油ほどの潤滑性がないため、エンジン内部へ燃料を送る噴射ポンプに大きな負担がかかってしまうからです。
そのうちにアイドリングが不安定になり、マフラーから白煙が出るようになります。やがて噴射ポンプが破損し、噴射ノズルも故障し、エンジン停止という事態を招いてしてしまいます。
ディーゼル車にガソリンを入れてしまった時の対処法
ディーゼル車にガソリンを入れたことに気付いたら、スタッフに相談して、すみやかにガソリンを抜いてもらいましょう。絶対にエンジンを始動させないことです。
その場ですぐにエア抜きもやってもらうとトラブルには至りません。
走行中に気付いた場合、気付いたその時点でエンジンを停止させましょう。そして、すぐにロードサービスなどを呼び、レッカー移動してもらうのが賢明です。
ディーゼル車にガソリンを給油した場合のエンジンへの負荷は大きなものがあります。噴射ポンプやノズルの交換だけに留まらず、エンジン交換や廃車という可能性も否定できません。
十分な注意と、すみやかな対処が大切です。